
2026.10.15 文・川崎 誠
10月に入って、朝と夜が冷えてきました。墓地の木も葉を落としはじめています。この記事では、秋から冬にかけてのお墓参りで変わること、年末の掃除、正月のお供えをまとめました。
秋に変わること:落ち葉と日暮れ
落ち葉:10月から12月は、墓地の落ち葉がいちばん多い時期です。区画にたまった葉は、濡れると石に色が移り、花立ての中で腐って臭います。手で拾うより、ほうきと小さなちりとりが早い。葉は墓地のごみ置き場か、持ち帰ります。
日暮れ:11月から1月は、17時には暗くなります。午後に出ると、掃除の途中で手元が見えなくなります。「お墓参りは何時に行く」の記事にも書きましたが、冬は特に午前中に。遠方から行くなら、墓地に14時までに着く計画にしてください。
水:冬は水道が凍って出ないことがあります。山の墓地では、12月から2月は水道を止める所もあります。ペットボトルで2リットル持っていくと、花立ての水と石の拭き掃除くらいはまかなえます。
服装と持ち物
服装は、脱ぎ着できる重ね着で。掃除をすると体が温まり、手を合わせる頃に冷えます。足元は、落ち葉で滑るので、底に溝のある靴。墓地の階段は霜で滑ります。
持ち物は普段のものに加えて、軍手(濡れると冷たいので、ゴム引きのもの)、カイロ、ペットボトルの水、ほうきとちりとり。花は、寒い時期は長持ちするので、菊や千両、南天のような日持ちする枝ものが向きます。
年末の掃除:いつ、何を
年末のお墓掃除は、12月の中旬から28日ごろまでに行う家が多いです。29日は「二重苦」、31日は「一夜飾り」と言って避ける地域があります。気にしない家も多いので、行ける日に行くのが一番ですが、年配の親戚がいるなら、一言聞いておくと穏やかです。
やることは、①落ち葉と草の片づけ、②墓石の水拭き(冬は洗剤を使わず、水と布で)、③花立てと香炉の中を空にして洗う、④古い花を片づける、⑤線香の燃えかすを捨てる。年に一度しか行けない家は、この年末の一回を「大掃除」の位置づけにすると、翌年のお盆が楽になります。
冬に向かない掃除もあります。苔取りや水垢落としは、水をたくさん使い、石が濡れたまま凍ると傷みます。これは春か秋に回してください。
正月のお供えと松飾り
お墓に正月飾りをするかどうかは、地域と宗派で分かれます。松や榊を花立てに挿す地域、小さな門松や注連縄を供える地域、何もしない地域。まず墓地の周りのお墓を見るのが、いちばん確かな方法です。周りがしていなければ、しない。
お供えは、鏡餅のような食べ物を置いたままにすると、鳥や動物が来て荒らします。供えたら、手を合わせたあとに持ち帰る。お酒も、かけずに持ち帰るのが基本です(「お供え物は何がいい」の記事)。
浄土真宗では、正月だからといって特別な飾りはせず、普段どおりの花と線香で構わない、とされることが多いです。お寺の墓地なら、住職に一度聞いておくと安心です。
松の内のお参り
正月のお墓参りは、元日から松の内(関西では15日、関東では7日まで)の間に行く家が多いです。「年始にお墓参りはよくない」と言われることがありますが、仏教にそういう決まりはありません。むしろ、家族が集まる正月は、一年でいちばん皆で行きやすい日です。
初詣とお墓参りを同じ日にする場合は、どちらを先にしてもかまいません。順番を気にする方は、お墓を先にして、ご先祖に新年の挨拶をしてから神社へ、という形が落ち着きます。
凍結と雪の日
広島市内でも、1月から2月は朝に霜が降り、山の墓地では雪が積もることがあります。凍った階段と石畳は、本当に滑ります。無理をせず、日を変えてください。
雪が積もったお墓は、無理に雪を落とさなくて大丈夫です。墓石の上の雪を金属のスコップで削ると、石を傷めます。手で払える分だけ払い、花立ての水が凍っていたら、花を挿さずに持ち帰ります。
つなぐのお参りでは
つなぐは広島県内のお墓へ伺い、清掃とお供えをしたうえで、ビデオ通話でご家族とご一緒にお参りする会社です。年末の掃除を「帰省できない年の一回」としてお頼みいただくご家族が、これから増える時期です。落ち葉の片づけと水拭き、花と線香を済ませ、ビデオ通話で手を合わせていただき、写真つきのご報告をお送りします。正月に帰省する前の「下掃除」としてもお使いいただけます。
よくある質問
問:年末と正月、どちらか一回しか行けません。——答:年末の掃除をおすすめします。きれいにして年を越すことが、ご先祖への一番の挨拶です。正月は家で手を合わせるだけでも構いません。
問:冬に供えた花はいつまで持ちますか。——答:気温が低いので、2〜3週間持つことが多いです。造花にする家もあります(「お墓に供えた花はいつまで置く」の記事)。
問:喪中の正月は、お墓参りをしてもいいですか。——答:むしろ行く家が多いです。喪中は神社への初詣を控える習わしですが、お墓参りは控える理由がありません。
まとめ
秋から冬は、落ち葉・日暮れの早さ・水道の凍結に注意。午前に行き、重ね着と滑らない靴で。年末の掃除は12月中旬〜28日ごろ、水拭きと花立ての洗浄まで。苔取りは春秋に。正月飾りは周りのお墓に合わせ、お供えは持ち帰る。松の内のお参りは問題なし。凍結と雪の日は日を変える。
寒い季節のお墓参りは、短くていい。きれいにして、手を合わせて、温かいところへ帰る。それで十分です。