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お墓参りのお線香の選び方——墓前用と家用の違い、煙と香り、長さ、一箱でどれくらい持つか

お線香は、お店に行くと種類の多さに迷います。家の仏壇用とお墓用は、実は向いているものが違います。屋外で、風があっても消えにくく、束で扱いやすいもの。選ぶときの目安を知っておくと、墓前で火がつかない、すぐ消える、と困ることが減ります。

お墓の線香立てに、お線香を供える手元

2026.10.27 文・川崎 誠

「お墓参りのお線香とろうそく」の記事では、火のつけ方と本数を書きました。このところ、その記事がよく読まれています。今日は、その手前の「どのお線香を買えばいいか」です。

墓前用と家用の違い

墓前用は、束のまま火をつけて、束ごと線香立てに置くものです。杉の葉を原料にした「杉線香」が多く、一束が太く、火持ちがよく、香りは控えめです。煙が多めに出ます。

家用は、一本ずつ立てるものです。白檀や沈香などの香りをつけた「匂い線香」が多く、細く、室内で香りを楽しむように作られています。

家用の細い線香をお墓に持っていっても使えますが、屋外では風で消えやすく、一本ずつ火をつけるのに時間がかかります。お墓には、墓前用か、太めのものが向いています。

選ぶときの目安

太さ:屋外では、少し太めのものが消えにくい。家用なら「太巻」「徳用」と書かれたものを。

長さ:お参りの時間に合わせて。短寸(10cm前後)なら20〜30分、長寸(14cm以上)なら40分以上燃えます。墓前に長く置かない前提なら、短めで十分です。

煙:周りのお墓に人がいる、風が強い日が多い墓地なら、「微煙」「煙の少ない」と書かれたものを。

香り:お墓では、香りは控えめのほうが周りに気をつかわずにすみます。故人が好きだった香りがあれば、それを選ぶのもよいことです。

一箱でどれくらい持つか

墓前用の杉線香は、一束で一回のお参りです。10束入りなら10回分。年に数回のお参りなら、一箱で1〜2年持ちます。

家用の匂い線香は、一回に1〜3本。一箱(100g前後)で数十回分です。

湿気るとつきにくくなるので、開けた箱は密閉できる袋に入れて保管します。車に積みっぱなしにすると、夏の熱で香りが飛び、冬の結露で湿ります。

どこで買えるか

仏具店、ホームセンター、スーパーの仏花売り場、百円ショップ、ドラッグストア。墓前用の杉線香は、墓地の近くの花屋や、霊園の売店で売っていることが多いです。

遠方から行くなら、出発前に買っておくと安心です。地方の墓地の近くは、日曜や祝日に閉まっている店もあります。

地域と宗派の習わし

墓前で束のまま立てるか、寝かせるかは、地域と宗派で違います。浄土真宗では線香を寝かせて供える作法があり、線香立てが横長の香炉になっている墓もあります。お墓の香炉の形を見て、それに合わせるのが確かです。

本数の決まりは宗派ごとにありますが、お墓では「束で一つ」が多く、家族それぞれが一本ずつ手向ける形もあります。迷ったら、お寺に聞いてください。

つなぐのお参りでは

つなぐは広島県内のお墓へ伺い、清掃とお供えをしたうえで、ビデオ通話でご家族とご一緒にお参りする会社です。お線香はこちらで用意して伺います。故人が好きだった香りや、いつも使っていた銘柄があれば、お知らせいただければそれをお供えします。宗派の作法に合わせて、立てるか寝かせるかも確かめてから供えます。

よくある質問

問:お線香に火がつきにくいです。——答:湿気か、風です。束の先を少しほぐして空気を入れ、風下に背を向けて火をつけます。ライターより、着火具(チャッカマン)のほうが確実です(「お線香とろうそく」の記事)。

問:火のついた線香を吹き消してもいいですか。——答:口で吹き消すのは避けるのが作法です。手であおぐか、線香を軽く振って消します。

問:燃え残った線香はどうしますか。——答:火が消えていることを確かめて、持ち帰るか、墓地の決まったごみ置き場へ。香炉に残したままにすると、雨で灰が固まります。

まとめ

お墓には、束で扱える墓前用の杉線香か、太めの線香が向く。家用の細い匂い線香は風に弱い。長さはお参りの時間に合わせ、煙と香りは控えめに。墓前用は一束で一回、10束で年に数回なら1〜2年。湿気に気をつけて保管し、遠方なら出発前に買っておく。立てるか寝かせるかは、お墓の香炉の形と宗派に合わせる。

お線香の煙は、昔から「こちらとあちらをつなぐもの」と言われてきました。選ぶときも、そのつもりで。

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