
2026.10.18 文・川崎 誠
「お墓参りを頼むとき先に伝える7つ」の中で、写真で見たい場所を先に伝えましょうと書きました。今日は撮る側の話です。家族の誰かが行き、誰かが行けなかった。そのときに、どう撮って、どう送るか。
撮る順番は六つ
①着いたとき(掃除の前)の全体。荒れていても撮ります。「どんな状態だったか」が、行けなかった人の知りたいことです。②掃除のあとの全体。①と同じ位置から撮ると、変化が分かります。③お供えのあと。花と線香を供えた正面。④墓誌(名前の板)。⑤気になる場所の寄り(傷み、苔、目地)。⑥周りの景色。参道、空、季節の木。
この順番で6枚。多くても10枚。「全部送る」より、順番のそろった6枚のほうが伝わります。
撮るときの配慮
隣のお墓の名前が入らない角度で。入ってしまったら、送る前にぼかすか、切り落とします。ほかの参拝者の顔も同じです。「お墓参りで写真を撮ってもいい?」の記事に、マナーをまとめました。
正面は、少しかがんで墓石の正面と同じ高さから撮ると、傾きや文字が見やすくなります。逆光なら、空を入れずに石だけを撮る一枚を足します。
送り方と、添える一言
LINEやメールで送るなら、写真の前に一行。「今日お参りしてきました。草を取って、花を替えました」。写真の後に一行。「石はきれいでした。右の外柵が少し沈んでいるので、来年見ます」。この二行があるだけで、写真が「報告」になります。
何枚も送ると、どれが前でどれが後か分からなくなります。順番どおりに送り、「掃除前」「掃除後」と一言ずつ添えると親切です。
高齢の親に見せるなら、スマホの画面より、プリントした写真か、タブレットで大きく。紙にして渡すと、仏壇のそばに置いて何度も見てくれます。
残し方:年ごとに比べる
写真は、送って終わりにせず、年ごとにまとめて残します。スマホのアルバムに「お墓・2026」のようなフォルダを作り、6枚を入れる。来年も同じ位置から撮れば、石の変化、苔の増え方、木の育ち方が並べて分かります。
傷みの判断は、たいてい「去年の写真との比較」でできます。石材店に相談するときも、2年分の写真があると話が早い。「お墓の傷みのサイン」の記事に、相談に使う5枚の撮り方を書きました。
兄弟で守っているお墓なら、共有アルバムにしておくと、行けなかった人が自分で見に行けます。年末の「お墓の10分の話し合い」の材料にもなります。
動画とビデオ通話
写真に加えて、30秒の動画を一本撮っておくと、周りの音(鳥、風、水)が伝わります。墓地の雰囲気は、動画のほうがよく届きます。
その場でビデオ通話をつなげば、行けなかった人が「その場で手を合わせる」ことができます。写真は「あとで見る」、ビデオ通話は「一緒にお参りする」。どちらも、行けなかった人のための道具です。
つなぐのお参りでは
つなぐは広島県内のお墓へ伺い、清掃とお供えをしたうえで、ビデオ通話でご家族とご一緒にお参りする会社です。お参りのあとには、上の六つの順番で撮った写真を大きく添えた、紙の「お参りのご報告」をお送りしています。画面で見るのが苦手なご家族にも、仏壇のそばに置いていただける形です。写真の撮り方で迷ったら、この記事の六つを参考にしてください。
よくある質問
問:写真を撮るのは失礼ではありませんか。——答:墓地での撮影は、周りへの配慮があれば失礼ではありません。自分の家のお墓を、家族に伝えるために撮る。それは供養の一部です。
問:何年分くらい残せばいいですか。——答:決まりはありませんが、3年分あると変化がよく分かります。容量が気になるなら、年ごとに6枚だけ残す形で十分です。
問:親がスマホを持っていません。——答:コンビニの写真プリントで、1枚30〜40円。6枚を封筒に入れて送るか、次に会うときに渡してください。
まとめ
お墓参りの写真は、掃除前・掃除後・お供え後・墓誌・気になる場所・周りの景色の順に6枚。隣の名前と人の顔は入れない。送るときは前後に一行ずつ。高齢の親には紙か大きな画面で。年ごとにフォルダに残して、来年と比べる。動画とビデオ通話は、写真の足りない分を補う。
行けなかった人は、写真を待っています。6枚と二行で、その人もお参りに加われます。